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価値創出プロセスを基点とした人的資本戦略・マネジメント転換支援

キーワード
組織人材改革
経営・事業戦略策定
競争力強化
サービスドメイン
Architecture & Digital

人的資本の可能性を最大化し、ビジネスアジリティを獲得する

企業が社会に価値を提供し続けるために、昨今注目されている人的資本経営の観点は必須である一方、社会全体における人的資本経営に関する潮流は、人的資本情報の開示と開示に必要なエンゲージメントやスキルの見える化の基盤づくりといった活動に寄ってしまっているというきらいがあります。

みなさんの会社でも様々な施策を実行したが、表層的な取り組みに留まり「効果が限定的・見えない」、「持続性がない」など、以下のような状況が起きていないでしょうか?

  • 人的資本経営の推進を始めたが、掛け声だけの活動となっている
  • 人財要件を再定義しているものの、総花的な整理となっていて、効果的な育成戦略が描けない
  • 企業の曖昧なストーリーが人財の維持・獲得を難しくし、個人の可能性を限定化させている
  • 人的資本に関する情報を単に集計して開示し、指標の開示や達成、認定マークの取得等の手段が目的化している
  • 市場とのコミュニケーション面、社会との協創関係、事業環境変化への即応性の面で問題を抱えている

人的資本経営とは

事業環境やダイバーシティなど価値観の変化が加速する中で、設計~開発に時間のかかる製品やサービス、オペレーションによる差別化よりも、より柔軟かつ俊敏に変化を受容できる「人」を「企業の競争優位の源泉」として重視し事業の基盤とする経営手法。

組織がどのように個人の可能性を最大化し、価値を創造し続けるのか?

LTSが考える人的資本経営とは、人財の可能性を最大化することです。人財を社会の資本と捉えると、おのずと社会・顧客と企業、人財(個人)の価値循環の視点が必要となります。持続的な価値創出の源泉は人的資本であり、企業は、個人の自律を促し可能性を最大化させる個人の自己実現を果たすプラットフォームです。

表層的な取り組みではなく本質をとらえた取り組みを推進するには、環境変化に迅速に対応するためのビジネスアジリティ(変革力)が欠かせません。しかし、伝統的な日本企業の多くは、これまで組織内に閉じた活動で課題を解決できたため、組織を越えた活動を実行する能力や組織カルチャーが醸成されていません。ビジネスアジリティを獲得するためには、旧来型のマネジメントからの転換が鍵となります。

このような転換を一朝一夕に進めることは困難ですが、小さく始めて、徐々に活動の範囲を広げていくことで、大きな変革につなげることができると考えます。LTSは、環境変化に機動的に対応できる「ビジネスアジリティの獲得」と同時に、持続的な価値創出の基盤となる「マネジメント転換」を支援します。


図1 表層的な取り組みと本質をとらえた活動の違い

持続的な価値創出のためのアプローチ

本サービスでは、価値を基点とするプロセスを整理して組織の役割と組織を越えた連携をどう考えるのか、プロセスを実現するための人財要件や配置をどう考えるのかといった点を検討することになります。そして「プロセス」、「人的資本」、「マネジメント」の観点で価値創出を阻害するボトルネックを捉え、変革し続けるのです。

持続的な価値創出のためには、プロセス・人的資本・マネジメントの3つの要素が重要で、これらがかみ合っている必要があると考えています。(図2)


図2

    ①プロセス

    プロセスとは価値を基点とするエンドツーエンドの価値循環の流れです。価値を阻害するボトルネックを捉えることで、適切な課題設定ができるようになります。

  • 社会・顧客価値とプロセスのつながりを明確化した上で、価値創出における重要課題を特定する
  • 事業領域の創出したい価値とプロセス、人財ポートフォリオ、キャリアパス等を明確にする
  • プロセスを基点に価値と人的資本をつなげる中で、人的資本の重要課題をとらえる視点が重要

図3 基点の違い

 

    ②人的資本

    プロセスを実現する源泉は人的資本・人財です。また、変化への対応を前提にプロセスを変革し続けるためには、その源泉である個人の自律が基礎になります。

  • 企業が社会や顧客に対して価値を創出し続けるためには、組織を越えたプロセス変革を実行していくことが求められる
  • プロセスを変革し続けるには、組織や人、組織能力(変革力)やスピード重視、失敗を許容し学ぶ等の組織カルチャーの土台が必要
  • 事業環境の変化が常態化する今日において、トップマネジメントだけでの課題解決では限界があるため、現場の自律が重要

図4 創出したい価値と人的資本施策のつながり 

 

    ③マネジメント

    旧来型の上意下達&丸投げのマネジメントでは、組織の壁・経営の壁を越えられずプロセス基点の活動を阻害し、元に戻ったり次の変革の機会まで変えられないという状況に陥ってしまいます。プロセス基点での課題設定、個人の自律、人財の可能性を最大化しこれらを持続的にするためには、旧来型からのマネジメント転換が重要です。

  • 新しいマネジメントでは、現場が主体的・自律的に変革し続けることが求められる
  • 経営は、現場活動を評価し資源を適切に配分する投資家としての役割と、各種活動の見える化や評価制度の整備などで現場活動を支援する
  • マネジメントは、全社視点(経営視点)だけでは成し得ず、個々の機能が自律化することが必須

図5 旧来型と新しいマネジメントの違い

マネジメント転換のはじめ方~Think big, start small~

マネジメント転換は経営を基点とする変革ではなく、現場を基点とする変革を通じ実現します。また、新しいことへのチャレンジは、良い失敗からの学び、勝ち筋を見極めるため、Think big, Start small (志は大きく、スタートは小さく)が基本となります。まずは、現場を基点に組織を越えた変革を小さく始めること、変革活動を早く一周させて成功体験を得ることが重要です。変革活動から学び、それを変革モデルとして他領域に展開していくことで、全社的な変革につなげることができると考えます。そして、現場の変革と同時に旧来の組織軸のマネジメントスタイルから、価値を基点とするマネジメントスタイルに変えていきます。
 


図6 変革のはじめ方

 
加えて、自社の変革力が十分でない場合には、外部の知見・リソース活用を検討することになりますが、外部支援には規律が必要です。すべての役割を外部に丸投げするようでは、自社の組織能力の醸成やマネジメント転換は実現できません。変革の初期段階においては、早く学びを得るために、外部の力を借りてスピードと実効性を担保しつつも次の段階からは、初期段階で確立した変革モデルをもとに、自社を中心とする体制を構築し、変革活動をやりきる中で、組織能力を醸成していく方針が良いと考えます。


図7 目指す状態に向けた段階

 
このように、目指したい状態を見据えつつも、自社の現在地を正しく認識し、目指したい状態までの段階を具体化することで、地に足のついた活動とすることができます。

変革プログラム策定の検討ステップ

目指す状態に向けたベクトルが合わないと、目線が合わずその場しのぎの散発的な活動になったり、経営からの短期的な成果を求めるようなプレッシャーに対抗できません。一方で、目指したい状態の青写真だけでは、絵にかいた餅で何から始めればよいのか関係者間で認識を合わせられません。他方、目の前にある具体的な問題をモグラ叩き的に対応しても本質的な課題解決にはつながりません。したがって、目指す方向性を定め、同時に目指す状態に至る現実的な段階について、関係者が共通の認識を持つことが先決です。


図8 変革プログラム策定の検討ステップ

 

変化への迅速な適応(持続的な価値創出)、個人のキャリア自律(個人の可能性最大化)

このマネジメント転換は持続的な価値創出(人的資本経営)の“はじめの一歩”です。
価値と人的資本をつなげることで、企業が持続的な価値実現に向けたストーリーを個人に提示でき、そのストーリーと志向性の合った個人が、高いエンゲージメントで企業に貢献する中で、社会に対する価値創出と人的資本の双方を実現するという持続的な価値循環が生まれます。

図9

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