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LTSの考える変革の重要テーマ
Business Process Management
「ビジネスプロセスマネジメント(BPM)」が組織的なマネジメント手法である一方、それを実践し、AI時代の変化に対応していくためには、そこで働く一人ひとりに「ビジネスプロセス思考」が求められます。これは、自らの業務を単なる作業ではなくプロセスの一部として捉え、全体を俯瞰する視点と、業務の構造を分解して見る視点を使いこなし、課題を発見して変革を構想する能力(スキル)です。
これまでは、自分の担当業務や所属部門の役割さえ理解していれば、ビジネスパーソンとして十分に貢献できました。しかし、AIによる自動化は、人間が作った組織の壁や業務分掌とは無関係に、ビジネスプロセス全体を対象とします。
この時代において、「自分の作業範囲はここまで」という意識は通用しません。他部門の業務、関連企業の役割、情報システムの動きなど、プロセス全体を俯瞰して理解し、関係者と連携しながら新たな業務プロセスを構築・変革し続ける能力が、すべてのビジネスパーソンに求められるのです。
「ビジネスプロセス」と聞くと、少し難しく感じるかもしれません。しかし、これはすべての企業活動の根幹をなす、非常に重要な概念です。ここでは、その本質と構造を解説します。
BPR(ビジネスプロセスリエンジニアリング)の提唱者マイケル・ハマーは、ビジネスプロセスを「最終的に顧客に対する価値を生み出す一連の活動」と定義しました。私たちはこれを、より具体的に「お客様に始まりお客様に終わる価値提供のライフサイクル」と捉えています。
企業の出発点は、お客様の課題や期待、すなわち「ニーズ」です。そのニーズに応えるために製品を企画・生産し、販売・提供するという活動を通じて、最終的にお客様へ「価値」が届きます。この一連の価値提供の流れこそが、ビジネスプロセスの本質です。
つまり、自社のビジネスプロセスを語ることは、自社がお客様にどのように価値を提供しているのか、その仕組みを説明することに他なりません。
この価値提供のライフサイクルは、具体的に何で構成されているのでしょうか。私たちは、どんなに複雑なビジネスプロセスも「IGOE+P」という5つの構成要素に分解して構造的に捉えることができます。
過去の業務改善は「Process(手順)」の見直しが中心でしたが、真の変革には、目的となる「Guide」を問い直し、最適な「Enabler」を組み合わせ、プロセス全体を再設計する視点が不可欠です。
かつて業務の実行主体は「人」と「設備」でした。しかし現代では、そこに「AI」という極めて強力な「Enabler」が加わっています。
もはやAIは、単なるツール(設備の一部)ではありません。しかし、「第三の実行主体」として人と並列に置くのではなく、プロセスを遂行するための強力な支援要素(Enabler)として捉えることが重要です。 この変化は、「人」の役割をも変えていきます。人は単純な実行者から、AIを使いこなし、AIにはできない高度な判断や新たな価値創造を担う存在へとシフトしていくのです。
「AIを導入すれば、すべてが解決する」わけではありません。ビジネスプロセスへの深い理解、すなわちビジネスプロセス思考なくしてAIを導入すると、かえって現場を混乱させ、期待した効果を得られない事態に陥ります。
営業部門が「顧客対応の効率化」を掲げ、AIチャットボットを導入。しかし、チャットボットが対応できない複雑な問い合わせの引き継ぎ先であるカスタマーサポート部門の業務プロセスを考慮していませんでした。 これは、全体を俯瞰する視点「鳥の目」でEnd-to-Endのプロセスを俯瞰せず、部門最適に陥った典型例です。結果、サポート部門の負荷は増大し、顧客満足度は低下。部分最適が全体最適を損なう「個別最適AI」となってしまいました。
全体を俯瞰する「鳥の目」で「問い合わせから解決まで」のプロセス全体を可視化し、業務の構造を分解して見る「虫の目」で各プロセスのIGOE+Pを分析。特に部門間の「境目」で発生していた情報連携の不備という問題(あるべき姿と現状のギャップ)を特定しました。 その上で、「問い合わせ内容をAIが分類・解析し、最適な部門へ、必要な情報を要約して引き継ぐ」という新たなプロセスを設計。結果、対応時間は短縮され、顧客満足度が向上。社員はより高度な課題解決に集中できるようになりました。
これからの時代に勝ち残るのは、全社員がビジネスプロセスを共通言語として語り、自律的に変革を実行できる企業です。
ビジネスプロセスマネジメント(BPM)とは、一度作ったプロセスを回し続けるだけでなく、環境変化に合わせて継続的に見直し、最適化し続けるための組織的な活動です。LTSでは、このBPMを回すために不可欠な要素として、以下の3つを定義しています。
1. プロセスの構造理解:「IGOE+P」や全体を俯瞰する視点(鳥の目)と、業務の構造を分解して見る視点(虫の目)を用いて、現状のプロセスを誰もが理解できる形で可視化・構造化する。 2. 目標と実績の管理:プロセスの目的(Guide)を明確にし、その達成度を測るKPIを設定・計測することで、客観的なデータに基づいた改善を可能にする。 3. 関係者のコミュニケーション:可視化されたプロセスとKPIを共通言語として、部門の壁を越えた対話と合意形成を行い、全社最適の変革を推進する。
LTSは、全社員が「ビジネスプロセス思考」を身につけ、自律的に変革を実行できる「BX(ビジネストランスフォーメーション)人材」の育成を支援します。
山本政樹
ビジネスプロセスマネジメント及びビジネスアナリシスの手法や人材育成に関する啓発を中心に活動し、日本国内のBA領域をけん引。
水谷圭
企業経営改善・改革に関わる上流~下流まで幅広い案件に参画し、これまでのノウハウを活用した人材育成事業の強化・推進に従事。
ビジネスプロセスマネジメントとは何か? なぜ今、ビジネスプロセス思考が必要なのか? 本Webページでご紹介した内容を、より体系的・網羅的に学びたい方へ。変革の第一歩となる入門書です。
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