株式会社エル・ティー・エス(本社:東京都港区、代表取締役社長:樺島 弘明/以下、LTS)は、静岡県の「令和5年度DX 推進リーダー育成業務」を受託し、令和5年10月から令和6年2月にかけて、県・市町職員計36名に向けた全6回の講座を提供しました。
■講座の背景
静岡県が2022年に策定した「ふじのくにDX推進計画」では、基本理念として「誰にも優しく、誰もが便利に、安全・安心、そして豊かに」が掲げられており、その実現のため行政における専門人材の確保・育成が急務となっています。本講座は特に、下記要件を備えた「DX推進リーダー」の育成を目指して実施しました。
- Digital:デジタル技術に関する基礎的な知識
- Transformation:要件整理と実効性ある変革の推進力
- Innovation:新しい価値を生み出すマインド
■講座の特徴
講座の前半3日間では、「DX」の用語や業務変革、データ分析・利活用、デジタル実装に関する基礎知識・技能の習得を狙いとし、座学と演習を織り交ぜた研修を提供しました。デジタル実装研修の一部とデータ分析・利活用研修については、株式会社SBS情報システム(本社:静岡県静岡市駿河区)様に登壇いただきました。後半では3日間かけてイノベーション研修を実施し、不確実な世界における未来のデザインや新しい価値創出を共創で実現する過程を、エフェクチュエーション*の考え方も取り入れたワークショップ形式で体感いただきました。当社では静岡県向けに令和3年度から3年連続で同様のワークショップを提供しており、庁内での共通言語獲得やコミュニティ形成への寄与を図っています。
*バージニア大学のサラス・サラスバシー教授が提唱した、熟達した起業家たちから導き出された思考プロセス。起業だけにとどまらず、日々の業務の改善や新しいアイデア創出への活用も期待されている(https://clover.lt-s.jp/3050/)
6日間の講座全体を通して、デジタル技術はあくまでも手段のひとつであることや、まず目的やビジョンを明確にして関係者間で共通認識を持つべきであること、その土台として組織における関係の質の担保が欠かせないことを特に強調してお伝えしました。後半のグループ分けは、エニアグラム*簡易診断結果も参考に編成し、関係の質向上のための自己・他者理解の重要性を実感いただきました。
*性格類型論のひとつで、人の性格を9つのタイプでとらえる。タイプごとに特徴的な言動やかけられて嬉しい言葉などが異なる(日本エニアグラム学会HPより:https://www.enneagram.ne.jp/)
また、本講座の前身である「令和4年度デジタル専門人材育成講座」は県職員のみを対象としていましたが、今年度は市町職員11名にも受講いただき、県・市町の垣根を超えた関係構築や共通言語獲得の機会につながりました。
■展望
LTSは今後も、知識・技能の習得やイノベーションの体感ワークショップ等を通じて、これからの社会で活躍できる人材の育成を推進し、より今後の豊かで活力あふれる地域・社会づくりに貢献してまいります。
■講座カリキュラム
テーマ | 目的 |
---|---|
1 DX基礎 | ✓DXに対する理解の促進 ✓講座全体への取り組み意欲の醸成 |
2 業務変革 | ✓業務可視化や問題発見の手法の理解 ✓変革推進における関係の質の重要性理解 |
3 データ分析・利活用 | ✓データ分析の基礎知識から、オープンデータ利活用の推進までを体験を通じて理解 |
4 デジタル実装 | ✓デジタル実装の前提となる考え方や基礎知識、ノーコード・ローコードツール活用を含めた実現手法の理解 ✓UI/UXの基礎知識の理解 |
5 イノベーション | ✓既存の常識や思考の枠組みにとらわれないイノベーション思考の体感 |
■受講者の声
- DX基礎
・今までDXを推進ということを目的に考えてしまいがちだったが、何のためにDXを推進するのか目的を決めなければいけないと学ぶことができた。
・DXの本質は「変革手法/手段」ではなく、「人」にあるという点に深い共感を得た。 - 業務変革
・県の全職員が受講すべき内容だと感じた。課題解決・改善についてチームがみなこの意識を持つことで事務改善がやりやすくなるのではないか。若手から幹部職まで広く浸透してほしい内容だった - データ分析・利活用
・非常に充実した研修だった。データ分析の必要性や実際のデータ作成フローを演習で経験できてよかった。 - デジタル実装
・ベンダーとの関わり方が非常に勉強になった。ベンダー任せにせずに、発注者側も責任をもってプロジェクトを管理する意識を持つことが大切だと改めて勉強になった。
・UI/UXの視点は、あらたな気付きがたくさんあった。DXを推進するうえで、UXを考えたつもりになってしまいがちだと思ったので、今後はしっかりと検証していきたい。 - イノベーション
・演習課題が難しく、考える、答えを出すことに苦労した。グループメンバーとの話し合いにより、答えを出すことができ、よい体験ができたと思う。サービスの仕様などを検討する場合の参考となる事例があった。今後の業務に生かせる可能性がありよかったと思う。
・様々な部局や市町の方と議論を深めることで、自分が思いもよらなかったアイデアが出てきたのが面白かった。
・普段はあまりイノベーション体験のような仕事をすることがないため、刺激的だった。
・もっと柔軟で突拍子もない発想が出てこず、ありきたりな域を出ない自分を改めて思い知ることになり、もっと日頃から色々なことにワクワクを感じられるようなマインドを意識して持つことが必要だと感じた。また、物事を様々な角度から見る、視点を変えて眺めてみることがまだまだできていないことも実感した。 - 講座全体
・DXの研修とは、デジタルに関わることだけだと当初思っていたが、業務を改善していく、その1つの方法がデジタル、ということが分かり、DXは、全庁的に全ての業務に関わることだと実感した。6日間という期間を通して、じっくり学び、演習で自分の中にも取り入れることができ、受講出来てよかった。
・ありたい姿に近づくために、今何をしたらいいのかわからないという悩みをもってこの研修に参加したが、なんとなく一歩踏み出し方がわかったような気がする。
・「将来のありたい姿から、現在すべきことを考える」等の演習は、すべての職員に体験してもらいたい内容であると思った。
・普段の業務ではなかなか落ち着いて研究できない分野の研修となり非常に参考になった。DXに関わらず事業実施の際に有効活用できると確信できた。次年度以降も自治体職員の資質向上を目的として継続実施していただきたい。
■講座の様子
【株式会社エル・ティー・エスについて】
東京証券取引所 プライム市場(証券コード:6560) https://lt-s.jp/
株式会社エル・ティー・エスは、デジタル時代のベストパートナーを目指し、お客様の変革実行能力を高めるためのコンサルティングを主軸としたプロフェッショナルサービスと、IT業界の企業や人材をつなぎ新しいビジネス機会を創出するプラットフォーム事業を運営しています。
【本プレスリリースに関するお問い合わせ先】
株式会社エル・ティー・エス 広報担当 E-Mail:info@lt-s.jp
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