書籍紹介
ビジネスプロセスの教科書 第2版
共感とデジタルが導く新時代のビジネスアーキテクチャ
概要
書籍情報
出版社:東洋経済新報社
ISBN:978-4-4929-6216-9
定価:1,900円+税
発売日:2022年11月18日
目次
- はじめに
- ビジネスプロセスは「正確性と迅速性」から「共感性と柔軟性」へ
- 第1章
- ビジネスプロセスはお客様の期待から始まる
──アイデアを実行力に転換し、価値を届ける──
コラム 共感の対象は“お客様”だけではない
- 第2章
- プロセス本来の姿を明らかにし、問題を解決する
──ビジネスプロセスマネジメントの三つのポイント──
コラム ビジネスプロセスにおける“問題”とは何か
- 第3章
- “鳥の目”でビジネスの構造を俯瞰する
──プロセスマップから始まるプロセスの理解──
コラム プロセスの理想的な分析範囲はどこまでか
- 第4章
- デジタル内部にも光を当て、責任の空白地帯をなくす
──プロセスの構造管理と変革の要「プロセスオーナー」──
コラム ビジネスプロセス“マネジメント”のデジタル化
- 第5章
- “虫の目”で業務を徹底的に分解する
──「IGOE+P」で理解する仕事の構造──
コラム 事業構造を“ブロック”として捉える
- 第6章
- あなたは自分の仕事の価値を語れるか
──言葉と数値でプロセスの目的と目標を明らかにする──
コラム プロセスの状況をデータからも読み解く
- 第7章
- ブロックの置き換えでビジネスの価値を高める
──ビジネスプロセス変革の二つの進め方──
コラム 変革のアイデアを求めて外の世界へ飛び出す
- 第8章
- 境界を越えてネットワークで共創する
──ビジネスプロセスマネジメントを推進する人と組織──
コラム ビジネスプロセスマネジメントの周囲に広がる世界
- おわりに
- 日本にもビジネスプロセスマネジメントのコミュニティを育てよう
ビジネスプロセスマネジメントをより深く学ぶための参考書籍
「共感性と柔軟性」という新しい価値観が加わったビジネスプロセスマネジメント
これまでのビジネスプロセスマネジメントの基本的な価値観は「正確性と迅速性」の獲得でした。そして今、新たに「共感性と柔軟性」という価値観が加わり、その世界を大きく広げています。そこには、ビジネスプロセスが「製品を届ける」だけでなく「お客様の体験をプロデュースする」役割を担うようになったこと、そしてビジネスプロセスマネジメントが「決められたことを正しく実行する」ために必要なだけでなく「企業が変化に柔軟に適応する」ためにも必要になったことがあります。
その背景には経営環境の変化があります。市場の姿は「製品を届ける」という「アウトプットエコノミー」から、「お客様の体験をプロデュースする」という「プロセスエコノミー」に変化しています。このとき、お客様の価値ある体験を創出するのに必要なのが、高い「共感性」です。加えて、現在の経営環境ではお客様の志向が多様化かつ高度化し、製品やサービスがどんどん複雑になっており、企業は高い精度の戦略を立て「計画的に実行していく」のではなく、粗い計画を基に「やってみてすぐに修正する」という「柔軟性」が求められます。そして、細分化・複雑化するビジネスプロセスを変化の速度に合わせて柔軟に適応させていくためには、必然的にデジタル技術の助けが必要となります。
経営環境の変化とデジタル技術の浸透により、ビジネスプロセスマネジメントの価値観も、活動において必要とされる手法も大きく変わり、今やビジネスプロセスマネジメントは企業の成長に不可欠な要素の一つとなっています。本書では、2015年7月に刊行した『ビジネスプロセスの教科書』を大幅に改訂した、今のビジネスプロセスマネジメントの姿を解説しています。
著者紹介
山本政樹(やまもと・まさき)執行役員
アクセンチュアを経てLTSに入社。ビジネスプロセスリエンジニアリング(BPR)、システム開発案件におけるビジネスアナリシス、ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)の導入など、ビジネスプロセス変革案件を中心に手掛ける。また、日本ビジネスプロセス・マネジメント協会(現:IT協会)にてビジネスプロセスマネジメント(BPM)の研修講師を務めるなど、BPMおよびBAに関する啓蒙・教育活動を実施している。米国PMI認定PMP(Project Management Professional)、TOGAF9(R) Certified、COPC(R) VMO規格 認定コーディネータ、IIBA認定CBAP(Certified Business Analysis Professional)。著書に『サービスサイエンスによる顧客共創型ITビジネス』(共著)、『ビジネスプロセスの教科書』、『ProcessVisionary デジタル時代のプロセス変革リーダー』(共著)、『Business Agility これからの企業に求められる「変化に適応する力」』。
著者メッセージ
「あなたは普段自分がやっている業務を説明できますか?」もし説明ができなければ、人に引き継ぐことも、後任を育てることも、業務を改善・改革することもできません。トラブルが起きてもその内容を誰かに説明することさえできないかもしれません。
あなたが誰かにその業務を説明するとき、もしくは誰かの業務を理解しようとするとき、業務がどういう要素からできていて、何を理解すれば「業務を理解した」と言えるのか?もしくは「業務を誰かに説明できる」と言えるのか?これについて知りたいと思うのであれば、まずはこの本を読んで頂きたいです。
本書は組織に所属し、日々の業務に従事する方であれば、経営者から現場の担当者まで誰でも活用することができます。前著に引き続き、この本が皆様の役に立つようであれば幸いです。