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ERP短期間導入の達成をスタートに経営のIT化の基盤を構築
(お客様インタビュー:フソウ様)
プロジェクト期間:1年1か月
水に関するあらゆる事業に取り組んでいる、水の綜合企業「株式会社フソウ」。3名体制のIT推進室でSAP基幹システムの短期間導入を実現、同時にIT構想を策定し、スピードを落とさずに経営のIT化を進めている。
所在地 : 東京都中央区新川一丁目23番5号 設立 : 1946年年8月14日 代表者 : 代表取締役社長 上床 隆明 事業内容 : 水インフラ事業に関するプラントの設計・施工・維持管理・運転管理、資機材の販売、鋼板製異形管の設計・製造 |
ご回答頂いたお客様
IT推進室 室長 平原 秀成 様
※取材日時 2016年8月
※記載の社名・担当部署等は、取材時の名称です。
1946年の創業以来、「水と共に生きる」を企業理念に、水インフラに関わる事業を幅広く手掛け、綜合水処理企業として水分野一筋で取り組んできました。上下水道施設などの設計・施工・メンテナンスなどを行う建設部門、管材やバルブなどの資機材を供給する販売部門、鋼板製異形管・水管橋・耐震性貯水槽などを作る製造部門、そして水処理研究所を擁する研究開発部門の4部門を主な事業内容としています。
自然や環境に配慮した建設施工、革新的な水処理技術の研究開発、耐震性に優れた鋼管製造の加工技術などを通して、「安心」「安全」な水利用を約束することがフソウの使命だと考えています。人々の暮らしがより豊かに快適になるよう、常にあらゆる分野・角度から水処理を見つめ直し、限りある水資源を未来につなげるために努力しています。
従来のシステムでは、“いつ” “どこで” “どの商材が” “どの顧客に対して” “どれだけの売上/利益” が上がったかを瞬時に把握できない状態でした。より迅速な経営判断のためには、これらの数値をシステムで正確かつリアルタイムに把握することが求められていたのです。また、今後の新規ビジネス進出を視野に入れると、拡張性の高いシステムに切り替える必要がありました。
経営の可視化に向け、ITを活用していくという会社の方針の下、2015年4月、3名体制でIT推進室が発足しました。しかし、IT推進室には基幹システム導入に関与した経験のあるメンバーがおらず、またシステム導入に専属的に取り組む人員を割くことができないことから、その両方を満たすリソースが必要でした。
プロジェクトマネージャーとして進捗管理や全社の課題管理を担当したほか、LTSからのアドバイスもあり、全社の課題を社長室と積極的・定期的に共有するようにしました。結果、経営方針をしっかりとシステムに反映することができたと思います。
従来のシステム導入では、計画したプロジェクトを適切に実行・推進できなかったことが大きな課題であったと考えています。システム開発への投資も大切ですが、プロジェクトの推進が適切でなければ課題は解決できません。当時、社内にはプロジェクトベースの業務を経験した社員が少なく、ユーザー側に立ったマネジメントとプロジェクト推進の支援を外部から調達する必要がありました。経営幹部にもプロジェクト推進の重要性を理解してもらい、LTSのような外部リソースの活用も含めた導入推進体制を構築するための予算を確保しました。
LTSには、ユーザーの立場でプロジェクトを推進しつつ、同時に第三者視点で現場の意見と事実を分け、業務分析や課題整理の推進をサポートいただきました。その結果を踏まえてRFPを作成したことで、ベンダーから明確な回答を得ることができました。結果として、 9割以上のFIT率であった会計・販売システムは決算月までの8か月で導入、FIT率が7割程度だった工事事業はその後の対応という意思決定ができました。
またSAPの導入検討に当たって、スクラッチ開発の前システムと異なり、現行業務をパッケージに合わせることが求められる場面が多くなることや、大企業向けの印象が強いSAPが弊社の企業規模に合うのかという懸念もありましたが、SAP導入支援の実績が豊富なLTSにアドバイスをいただき決断することができました。今回の短期間導入成功の要因は、この段階でしっかりと課題を整理し計画を立てられたことが6割、最適なシステムの選定ができたことが4割だと感じています。
短期間導入により、先を見据えたマネジメントが可能となり、現在は建設事業のシステム改修にスムーズに移行しています。
じっくり長くやることも大切ですが、短期間で導入することで、次の施策、さらにその次の施策まで関係者で意識しながら、検討する機会ができました。
従来のシステムでは困難だった事業プロセスの可視化が、ERP導入の最も大きな成果です。それにより、各プロセスの数値が明確になりました。また導入過程において、整備が不足していた営業プロセスを可視化できたという効果もありました。事業の課題が明確になったことで、的確な意思決定が可能になり、現場においても、課題解決の意識を持つ社員の姿が見られるようになりました。
当たり前だと思っている既存の業務をどう疑うかをLTSと一緒に経験でき、高い目線・広い視野を持って物事を捉えられるようになりました。また、プロジェクトベースでの仕事の進め方を実践的に学ぶことができ、理論立てて業務を遂行することがいかに効率的で大切かということを身に染みて感じることができました。プロジェクト参画を通して社員が成長できたことは、非常に大きな財産です。
現在は、導入したシステムの運用・改善を進めています。管理系スタッフ中心に進めてきたプロジェクトを、どのようにフィールドワーカーに拡大していくかが、ポイントであると考えています。また、他の事業のシステム化についても、既に課題のヒアリングに入っています。ビジネス全体が網羅できた後には、BIツールなどの導入も視野に入れ、将来的には、経営の意思決定プロセスも含めてサポートするところまでつなげていきたいです。
LTSには、基幹システム導入の支援と合わせて、今後のフソウにおけるIT構想策定全体の計画まで含めたサポートをいただいてます。経営のIT化の推進は、システム導入で終わりではなく、人や組織の成長、業務の効率化も両輪で取り組む必要があります。LTSのメンバーに活躍いただく場面は今後も多いと思いますので、引き続きお付き合い願いたいと思います。
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