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LTSの考える変革の重要テーマ
Business Process Management
激変する経営環境の中で、ビジネスプロセスマネジメントが今、改めて注目される考え方となっています。これまで企業がビジネスプロセスマネジメントに取り組む最大の動機は、現場の業務品質を維持し、改善することでした。各業務の担当が自らの業務をしっかり理解して説明可能な状態にしておくことは、社員の育成、トラブル時の原因究明、業務改善の推進といったさまざま活動を自律的に進める「強い現場(=現場力)」の基本です。しかし、今の企業経営を取り巻く変化の中で、ビジネスプロセスマネジメントはこのような過去の役割だけでなく、環境変化に適応した新たな役割を求められるようになっています。
今、お客様の購買行動は、ただ高機能な製品やサービス(=機能的価値)を買うのではなく、他にはない自分だけの製品を得ることで自分らしさを追求したり、製品やサービスを選ぶ、使う、時にそれらを事業者と共に作るといった顧客体験全体を通して、特別な経験をしたり、それらを他者と共有して“つながり”を得たりすることに重きを置くようになっています。このような市場の姿を「プロセスエコノミー」と言います。
過去のビジネスプロセスマネジメントの活動目的の大半は製品やサービスの品質およびリードタイムの改善と、コスト削減(いわゆる「QCD」)でしたが、これはビジネスが“物を売る”という「アウトプットエコノミー」を前提にしていたためです。企業の競争力は製品やサービス自体に宿り、ビジネスプロセスはこれらをお客様に届ける手段に過ぎませんでした。それは求められたことを正確に、素早く実行する世界で、プロセス自体に新しい価値を創造することは、さほど求められなかったのです。
しかし、プロセスエコノミーではお客様が自社と関わるライフサイクル全体を一つのプロセスとして見立てて、価値ある体験をプロデュースしていかなくてはなりません。このような変化の中で、ビジネスプロセスの設計はお客様への価値創造の役割を担うようになったのです。
現在の経営環境では、お客様の志向が多様化かつ高度化し、製品やサービスがどんどん複雑になっています。しかも、この志向は激しく変化し、現在の経営は複雑化と迅速化が同時並行で進む世界となっています。
このような環境では、企業は高い精度の戦略を立て、計画的に実行していくことが難しくなります。そのため事業戦略の運営は、戦略や計画の策定に多くの時間を費やすのではなく、製品やサービスを素早く具現化して市場に出し、お客様の反応やビジネスプロセスから上がるデータを見ながら、戦略とプロセスの双方を素早く見直していく仮説検証型にシフトしています。
これが成り立つにはビジネスプロセスの運営が、戦略の運営スピードにリンクしている必要があります。データを活用して素早く意思決定を行っていくにも、やはりビジネスプロセスにそのための仕組みを埋め込む必要があります。
もはや、戦略立案とビジネスプロセスの構築、さらにプロセスの実行、そして戦略の見直しは高速のサイクルとして回っており、もはやプロセスマネジメント自体が戦略運営と密接不可分のものとなっているのです。
これからのビジネスプロセスマネジメント、それは「正確性と迅速性」という旧来の価値観に加えて、「共感性と柔軟性」も重視するものです。
ビジネスプロセスの価値観の変化
この複雑な経営環境の中でお客様の異なる期待に迅速に応えるようとすることは人間の力だけではとても不可能で、必然的にさまざまなデジタル技術の助けが必要となります。現在のビジネスプロセスマネジメントはデジタルトランスフォーメーション(DX)と表裏一体の関係にあります。
デジタル技術の浸透は、ビジネスプロセス設計に必要な能力も大きく変えました。かつては業務とは現場経験を通して習得し、経験からの気付きを反映することで改善を繰り返してきました。しかし、業務の実行者はロボットや情報システムにとってかわられようとしています。経験則からだけでは業務を理解することができないのであれば、従業員にはデジタルソリューションの内部にブラックボックスとなった業務の論理を理解した上で、これらを造り替えていく能力が必要になります。かつて人の働き方を中心に語られていた“現場力”の主戦場は、今やデジタル空間の内部に広がっているのです。
現場でのQCDの向上だけでなく、企業競争力や経営戦略にも直結するとなると、これまで以上に経営者はビジネスプロセスマネジメントに関与していく必要があります。デジタル時代に適応した人材育成も急務です。LTSはこのような新たな時代の要請に応じたビジネスプロセスマネジメントの推進を支援します。
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