LTSコラム

システム操作説明会で大炎上!? ~「研修」の勘所(後編)~
2011.8.26

「新しくシステムを導入するメリットが全く理解できない!」

「こんなシステムじゃ業務できない!」

説明会で参加者からこのようなコメントを突き付けられることを考えると、たしかに見方によっては、こんな場面での説明担当は、嫌な役回りかもしれません。

しかし、ここでのコミュニケーションはとても重要になります。

システム切替に伴う説明会は、例えば導入の1~2ヶ月前などに実施されますが、実施時点では未確定の要素も少なくありません。その中で現場の方からは、鋭い質問がとんできますので、正直なところ返答に困ることもしばしばあるのは事実なのです。

ただ、個人的には、質疑応答の場は、説明担当者の腕の見せ所だと思っています。いくつかのポイントをあげてみます。

≪ポイント①≫ 現場への影響範囲に焦点を絞った回答をすること
システム設計の詳細、プロジェクト内部の複雑な事情を説明しても、残念ながら言い訳にきこえてしまいます。
現場の方々にとっては、これまでより便利になるのか手間がかかるのかが重要なのです。
その観点で整理した情報を回答します。

≪ポイント②≫ 不確定要素についての質問に対しては今後の方向性だけでも伝えること
決まっていないものは仕方ありません。
そうであれば、確定して現場周知できる予定時期などを伝えて、相手にとって意味のある情報を提供します。
(ただし、あまりにもその予定が不確実であれば「時期も未定です」と言い切ることも大切です!)

≪ポイント③≫ 現場からの要望についてはまずは耳を傾けること
様々な制約条件のために実現不可の要望もありますが、可能な限り要検討事項として扱えるように意見をききます。
またそのような姿勢を相手に示すこと自体にも意義があります。

以上、3つのポイントをあげてみました。また、これらを実行するには事前に念入りに、情報収集・整理、関係者との認識合わせをすることも大事です。

そして、このポイントは、質疑応答の数十分間をうまくやりすごすためのポイントではなく、システム切替のプロジェクトを成功させるための大切なパーツになると私は考えています。

さらに言うと、上記のポイントをおさえて対応したことによるプラス効果というよりも、ポイントをおさえずに対応してしまった場合のマイナス効果が大きいのではないでしょうか。

ごまかしながら説明したり、一方的な方針を押し付けたりすると、それはきっと相手にネガティブな印象を残します。

単純ですが、「説明の声がよくきこえなかった」「資料がわかりにくかった」「説明者の態度が大きかった」、たったこれだけのことでも、プロジェクトとしての取り組みやシステムに対する印象・評価が決まってしまうことも否定できません。

(なぜならば、自分が例えば家電量販店である商品を勧められたときに、もし店員の態度が偉そうだったら・・・と想像すると、もうその商品を買いたくなくなるからです!)

まさにシステムを動かさなければならない現場の方々が、説明内容について理解も納得もしていない状態で、説明会を終了すれば、プロジェクトとして意図している適切な働きかけは達成できないでしょう。

システムを切り替えることによって、業務担当者の方々の負荷が一時的に高まるのはほとんどの場合、避けられません。その中でも、負荷を最低限に抑えるためにどうするべきかを考え、そして、実際に影響を受ける現場に働きかけていく必要があると思うのです。

こんなことを考えながら、私は研修に臨んでいます。以上、研修の「勘所」でした!