LTSコラム

本当に現場が変わるプロセス変革へ:業務フローから本質的な課題を見つけ出すには

こんにちは、LTS業務変革支援事業部の山本です。

春になり新卒社員の入社シーズンですね。LTSには6人の新人が入社しました。
今は6月まで3ヶ月かけて行われる新入社員教育の真っ只中です。

研修講師は社員が分担して行うのですが、先日自分も業務フロー分析に関する研修の講師を担当しました。
業務フロー分析の観点としては「ECRS」と呼ばれる手法が一般的ですね。ECRSは以下の頭文字から来ていますを

(1)廃止(Eliminate):無用な業務・作業を廃止する。
(2)結合(Combine):2つのステップを結合することで効率化する。
(3)順序変更(Rearrange):作業の順序を変更することで効率化する。
(4)単純化(Simplify) :業務や作業を簡素にすることで効率化する。

これらの観点は間違いではないのですが、実際の業務フロー分析をこのような観点で行うことは稀です。新入社員研修で説明しながらも「ECRS」がピンとこなかったので、実際のプロジェクトではどのような観点で業務フロー分析を行うのか過去の経験を整理してみたところ、だいたい以下の9つに分類できました。

■1.過剰な(ROIを無視した)顧客対応
⇒お客様対応のパターンが複雑化している。それが顧客価値と企業競争力向上に十分に貢献しているのであれば問題ないが、過去はともかく今はもう採算が合わないサービスや、顧客との力関係から無理に導入(※)したサービス等が無意味に業務フローを複雑化させているケースがある。

※BtoBのサービス・製品を提供する企業に多い。

■2.業務ルールの制限
⇒業務フローを規定しているルールが実態に合っていない。例えば現場に十分な判断スキルがあるにも関わらず決裁権限が現場に委譲されておらず無用なエスカレーションが頻発され、余分なリードタイムと稼動を生んでいる等。

■3.情報システムの機能不足・連携不足
⇒情報システムの機能不足から手作業や人によるチェック、システム間の情報再入力等の手間を生んでいる。システムの利用者権限等の設定が実態に合っていない等もこのケース。

■4.組織間役割分担の制限
⇒組織間の役割分担が実態に合っていない。一つの部署で連続して実施することが可能な業務を二つの組織に跨って実施しているため、不要な情報の受け渡しやミスの誘発、リードタイムの冗長化を招いている。

■5.組織間の情報共有不足
⇒複数の組織間を見て最適な業務の流れになっていないが、組織間で情報が共有されておらずこれが是正されない。ある組織から提供されている情報が、渡された組織は現在では全く活用していない等。

■6.過剰な(ROIを無視した)チェックや監査
⇒チェック業務が二重、三重に行われており、チェックのための準備稼動等にも時間が割かれているケース。ミス発生時の対策として闇雲にチェック業務を増やしてきた等の経緯がある場合が多い。

■7.行動に繋がらない管理業務
⇒業務指標(数値)、報告資料のとりまとめ等、意思決定に利用されるはずのデータが意思決定に繋がっていない、もしくは意思決定自体がほとんど行われていない。ただ会議で報告するためだけに資料を毎週作成している、等がこれにあたる。

■8.行動に繋がらない記録業務
⇒「いつか使うかもしれない」という恐れからデータや資料を無闇と保管・管理している。記録・保管自体は必要だったとしても監査やコンプライアンス上必要な精度・量・期間を超えており稼動を圧迫しているケースも多い。

■9.歴史的経緯
⇒M&Aや組織統合が行われた際に、十分に標準化されない業務がそのまま継続して行われている。業務効率化を進めたくとも多くの関連部署があり、自組織の取組みでは十分な標準化作業を行えないまま放置されている等。

そもそも業務フロー分析とはある程度、問題仮説が存在している前提で、その仮説が正しいかどうかを実業務の流れの上で確認することがほとんどです。多くのプロジェクトでは上記のような非効率な業務を生み出している原因の全体像を他の手法(※)で洗い出して仮説を立案し、その上で分析を実施します。

※LTSが提供している「問題見える化セッション」のような手法を使います。

無駄な業務を行いたい人はいないので、単純な業務フロー上の非効率は何もコンサルタントが入らずとも自然と担当者レベルで是正されているケースがほとんどです。ただ上記の9つの原因は顧客やシステム、他部署等、業務担当者の権限では対応しきれない要因が含まれており、それが非効率な業務プロセスが改善されない原因となります。

我々コンサルタントはこのように視点を広げて、問題があるとされた箇所の周辺の業務やシステムとの関連性に着目することで全体最適の業務効率化を推進します。皆さんもよろしければ上記の視点等を活用してより広い観点から業務の効率化余地を探ってみてください。

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